福知山線事故の列車に乗務していた松下車掌の手記がJR西日本から被害者に配布されているようです。私のところには来ていませんから遺族が対象なのかもしれません。
新聞報道などによると、内容は勤務開始から事故直後までの経過などで事故調査委員会の報告とほぼ同じということです。また、事故直後には現場でパニックになったことや、事故後に警察や会社(JR西日本)からの事情聴取がいつまで続くのか不安に感じたことなども記されているそうです。そして被害者に対する謝罪はないとのことです。
JR西日本がこの手記に添付した文書には「自らが思うところを皆様にお伝えすべきと繰り返し伝えてきた」「内容の再考を促したが、考えを変えなかった」などの釈明が記載されているそうです。手記の中に謝罪の言葉がないのは問題でしょうが、この文書はまさに人ごとですね。事故調査委員会の意見聴取会での丸尾副社長の公述と同じく、この事故の責任を運転士と車掌に押し付けようとしているともとれます。
そもそも松下車掌は適応障害ということでつい最近まで入院していました。当然でしょう。あれだけの事故の「当事者」になってしまったのですから。かなり大きなストレスを受けていたはずです。ある意味では私などよりもストレスは大きかったに違いありませんから、通常の精神状態でなくなるのは十分に想像できます。退院後間もない彼に無理に謝罪を迫るというのもどうかという気がします。
乗務員としての責任は当然あるにしても、被害者の前に連れてきて吊るし上げても何の意味もありません。しかも適応障害という精神疾患を患っているのです。本人が立ち直るためにも「謝罪」は必要でしょうから、時期がくれば必ず本人の口から被害者に向けた言葉が語られるはずだと思います。ただ、まだその時期ではないのでしょう。いつになるのかわかりませんが温かく見守る姿勢が大切ではないでしょうか。
2007年06月09日
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