先日、JALの安全啓発センターに行った時にCSR REPORT 2009をもらってきていたのですが、ようやく時間が取れたので読んでみました。2008年4月から2009年3月までの取り組みについての報告書です。冒頭の西松社長と緒方貞子氏の対談からはじまって大きく5つの章に分かれています。安全、環境、社内コミュニケーションなどが大きなテーマとなっています。
JALは2005年にトラブルが頻発し、国土交通大臣から業務改善命令を受けたことから安全アドバイザリーグループを設置しています。8月に設置されて12月に提言書を取りまとめるというハードなスケジュールで調査・分析が行われました。安全啓発センターも提言に基づいて開設されたものです。レポートの中では安全アドバイアリーグループの座長を務めた柳田邦男氏と安全推進本部長の岸田氏が対談形式で提言後の3年間を振り返っています。柳田氏はいくつか興味深い話をしています。
まず「3・3の法則」。問題への対策を講じた後、「最初は緊張して取り組んでも3カ月ぐらい経つと最初に見落としがあった部分や、予想しなかった部分にぼろが出てくる。3年経つとうまくまわっているように見えるが、環境条件や社員が変わり落とし穴ができてくる」というものです。人は常に緊張し続けることができないので3か月や3年というのは、一旦立ち止まって振り返ってみる必要があるのでしょう。
2つ目は「2.5人称の視点」。これは提言の中にもある考え方です。乗客を自分と考えるのが「1人称の視点」、家族と考えるのが「2人称の視点」、乗客のことを念頭に入れずに業務をこなすのが「乾いた3人称の視点」。1人称や2人称の視点を考慮しつつプロとして冷静に業務に対処するのが「2.5人称の視点」であると説明されています。さすがに作家らしい表現です。2人称ではなく2.5人称であるところが秀逸です。
3つ目は安全啓発センターにおける企画展。社員が何度も訪れたくなるような工夫として、例えばハドソン川着水事故などを取り上げた企画展をするというものです。これもなかなか優れたアイデアだと思います。
最後に、岸田氏の言葉の中から印象に残った部分です。
「加害者と被害者の関係は変わりません。しかし同時に、将来に向けてひとつの目標を共有しています。それは二度と事故を起こさないことです」
立場は違っても、共有する目標に向かってそれぞれのやり方で取り組んでいく。
task together
これは社会がうまくまわっていくための根本原理のようなものだと思います。目標を共有することが難しいのではありますが。
明日から21世紀に入って10年目の年が始まります。芽を見せ始めている21世紀らしい新しい社会をめざすコンセプトを、そろそろ具体的な形にしていく時期ではないでしょうか。
2009年12月31日
2009年12月30日
全面的に協力すべきは捜査というよりも調査です
北海道のJR根室線富良野駅で快速列車と除雪車が衝突するという事故が28日の夜にありましたが、この事故で快速列車の乗客9人と除雪車の乗員3人が負傷しました。原因はポイントの切り替えミスの可能性が指摘されており、現在、運輸安全委員会による調査と北海道警による捜査が平行して行われています。
北海道警は業務上過失傷害の容疑でJR北海道の本社などを捜索しました。警察としては業務上過失傷害による責任追及をがんばりたいところでしょうが、それよりも運輸安全委員会の調査を優先するべきだと思います。純粋に事故原因を調査するのは運輸安全委員会の仕事だからです。警察や検察は特定の刑事責任を追及するという目的に必要なことのみを調べますから、必ずしも事故原因が明らかになるとは限りません。まずは事故の再発を防止することが大切ですから、原因究明を優先すべきで、責任追及はその後です。
こうした議論はずっと行われてきているのですが、どういう訳か、調査と捜査ではむしろ捜査の方が重要視されています。所管する部署の力関係でしょうか。JR北海道も「捜査には全面的に協力する」とのコメントを発表していますが、それは建前でしかあり得ません。自らの責任追及のための捜査なのですから。一方、調査の方は再発防止で自らの利益と一致しますから、こちらの方こそ「全面的に協力する」べきなのです。当事者であるJR北海道も報道関係者も北海道警も、みんながこうした意識を持つことが必要だと思います。
北海道警は業務上過失傷害の容疑でJR北海道の本社などを捜索しました。警察としては業務上過失傷害による責任追及をがんばりたいところでしょうが、それよりも運輸安全委員会の調査を優先するべきだと思います。純粋に事故原因を調査するのは運輸安全委員会の仕事だからです。警察や検察は特定の刑事責任を追及するという目的に必要なことのみを調べますから、必ずしも事故原因が明らかになるとは限りません。まずは事故の再発を防止することが大切ですから、原因究明を優先すべきで、責任追及はその後です。
こうした議論はずっと行われてきているのですが、どういう訳か、調査と捜査ではむしろ捜査の方が重要視されています。所管する部署の力関係でしょうか。JR北海道も「捜査には全面的に協力する」とのコメントを発表していますが、それは建前でしかあり得ません。自らの責任追及のための捜査なのですから。一方、調査の方は再発防止で自らの利益と一致しますから、こちらの方こそ「全面的に協力する」べきなのです。当事者であるJR北海道も報道関係者も北海道警も、みんながこうした意識を持つことが必要だと思います。
2009年12月29日
大阪府立国際児童文学館の廃止に思う
万博公園にある大阪府立国際児童文学館が昨日から休館になりました。財政再建の一環として来年3月末で廃止になることから、蔵書の整理等の作業を行うためです。蔵書は中央図書館に移され、現在の建物は公文書館の書庫とする方針です。廃止を巡っては本の寄贈者が返還を要求したり、議会で存続の請願が採択されるなど反対の意見も多くあります。webサイトも今はまだそのまま公開されています。抗議の意思表示(?)でしょうか。
そもそもこの施設は児童文学と児童文化の振興発展のためにつくられたもので、webでは「子どもの本と文化を、子どもの未来のために」というキャッチフレーズが示されています。廃止されるのは利用者が少ないからです。万博公園という、環境はいいものの、大阪府全体から見ればほとんど北の端に立地することも大きな要因でしょう。子どもが本に親しめるようにということであれば、大きな拠点的施設をつくるのではなく、小さな施設をたくさんつくるか、あるいは既存の図書館の児童書のコーナーを充実する方が効果があると思います。そう考えると、廃止もやむを得ないでしょう。施設を運営する財団法人は存続するようですから、もっと身近に利用できる方法を考えていくべきだと思います。
そもそもこの施設は児童文学と児童文化の振興発展のためにつくられたもので、webでは「子どもの本と文化を、子どもの未来のために」というキャッチフレーズが示されています。廃止されるのは利用者が少ないからです。万博公園という、環境はいいものの、大阪府全体から見ればほとんど北の端に立地することも大きな要因でしょう。子どもが本に親しめるようにということであれば、大きな拠点的施設をつくるのではなく、小さな施設をたくさんつくるか、あるいは既存の図書館の児童書のコーナーを充実する方が効果があると思います。そう考えると、廃止もやむを得ないでしょう。施設を運営する財団法人は存続するようですから、もっと身近に利用できる方法を考えていくべきだと思います。
2009年12月27日
JR西日本による資料未提出の影響
福知山線事故に関する事故調査委員会の調査において、JR西日本が資料の一部を提出していなかった問題で、当時の委員である山口浩一氏が神戸地検に対して「資料が提出されていれば報告書の内容は変わっていた」との供述をしていたことが明らかになりました。未提出だったのはは函館線脱線事故がATSがあれば防げた事故例としてあげられていた資料です。神戸地検が山崎前社長を起訴したストーリーではこの辺りは非常に重要なポイントになります。
しかし、運輸安全委員会が情報漏えいを始め一連の問題についての調査報告書を作成していますが、その中では資料が提出されていても報告書の内容に変更が必要となることはなかったとされています。山口氏の供述はこの見解とは異なる内容です。
この問題については山口氏に問いただすというよりは、未提出資料の内容を加味した上で報告書の内容を変更すべきかどうかを吟味すれば良いと思います。山口氏がどう供述したのかはどちらでもよいことです。報告書を吟味する作業は運輸安全委員会で進められている報告書の検証の中で行われるべきでしょう。
しかし、運輸安全委員会が情報漏えいを始め一連の問題についての調査報告書を作成していますが、その中では資料が提出されていても報告書の内容に変更が必要となることはなかったとされています。山口氏の供述はこの見解とは異なる内容です。
この問題については山口氏に問いただすというよりは、未提出資料の内容を加味した上で報告書の内容を変更すべきかどうかを吟味すれば良いと思います。山口氏がどう供述したのかはどちらでもよいことです。報告書を吟味する作業は運輸安全委員会で進められている報告書の検証の中で行われるべきでしょう。
2009年12月26日
羽越戦事故の追悼慰霊式
2005年のJR羽越線事故から4年目の昨日、追悼慰霊式が行われました。この事故は福知山線事故と同じ年に起こった事故で強く印象に残っています。先日は山形県警がJR東日本の運行管理セクションの職員を書類送検しています。この事故は原因が比較的明確なので、事故後は突風対策などの安全性を向上させるための取り組みが進められているようです。
ところで追悼慰霊式は慰霊碑のある場所で行われたようです。事故の後、事故現場がどのようになっているのか情報がありませんでしたが、慰霊碑がつくられているのですね。福知山線事故の現場はまだまだどうなることやら、結論が出せそうな環境にありません。
ところで追悼慰霊式は慰霊碑のある場所で行われたようです。事故の後、事故現場がどのようになっているのか情報がありませんでしたが、慰霊碑がつくられているのですね。福知山線事故の現場はまだまだどうなることやら、結論が出せそうな環境にありません。
2009年12月25日
高速道路無料化、やめませんかね
やはり高速道路無料化への動きは止まらないのでしょうか。前原国土交通大臣は来年度に無料かを試行する区間を1月中に決め、6月中に実施する予定だそうです。無料かに関連する来年度の予算は6千億円から1千億円と6分の1になったのですが、その分を補填するために休日の上限1000円や深夜割引が見直されるようです。そこまで無料化にこだわらないといけないのものなのでしょうか。
今や低炭素社会をめざすという方向性のは国民的、いや全世界的に共有されつつあると思います。にもかかわらず高速道路無料化の問題について、反対の世論が盛り上がらないのが不思議です。今からでもやめると言わないですかね。
今や低炭素社会をめざすという方向性のは国民的、いや全世界的に共有されつつあると思います。にもかかわらず高速道路無料化の問題について、反対の世論が盛り上がらないのが不思議です。今からでもやめると言わないですかね。
2009年12月24日
喜納昌永氏が永眠
12月24日。クリスマスイブに喜納昌永氏が亡くなりました。琉球民謡の歌手で喜納昌吉の父でもあります。私は喜納昌永氏のことは詳しく知りませんでしたが、同じ琉球民謡の歌手で人間国宝の登川誠仁はナビィの恋という映画で知りましたし、息子の喜納昌吉のCDは持っています。以前、沖縄の仕事をしていた時に那覇空港で喜納昌吉を見かけたこともあります。
沖縄は本土とは違う独特の風土が個性的な文化を培い、それが不思議な魅力となっています。写真を見ているだけで行きたくなります。日常の問題から少し離れてゆっくり、ぼぉーっとしたいです。
「すべての人の心に花を、すべての武器を楽器に、すべての基地を花園に、戦争より祭りを」
息子の喜納昌吉が発するすばらしいメッセージです。
沖縄は本土とは違う独特の風土が個性的な文化を培い、それが不思議な魅力となっています。写真を見ているだけで行きたくなります。日常の問題から少し離れてゆっくり、ぼぉーっとしたいです。
「すべての人の心に花を、すべての武器を楽器に、すべての基地を花園に、戦争より祭りを」
息子の喜納昌吉が発するすばらしいメッセージです。
2009年12月23日
たばこ税とガソリン税
政府の税制改正大綱にたばこ税を1本あたり3.5円引き上げられることが盛り込まれました。かつてない大幅増税だそうです。一般的なたばこの値段は1箱300円から400円程度になるとのことです。増税の背景には「国民の健康の観点から、たばこの消費を抑制するため、将来に向かって税率を引き上げていく必要がある」との考え方があります。
一方、ガソリン税の暫定税率は一旦廃止し、新たな税制措置により現在の税率が維持されることになりました。民主党のマニフェストではガソリン税の暫定税率の廃止や高速道路の無料化など車の利用を促進する政策が多く、この点については賛成できないのですが、当面はガソリンの急激な値下げはなさそうです。
低炭素社会を目指すのであれば車の利用は抑制するべきであることは疑うべくもないはずですから、本来はタバコの消費抑制と同様の考え方があってしかるべきだと思います。つまり、車の利用を抑制するためにガソリン税の税率を引き上げていくということです。急激な値上げはトラック輸送に大きく依存する物流面への影響が大きいでしょうから何らかの配慮は必要でしょうけど。そうした議論も盛り上がることなく、世論はガソリンは安い方が良い、高速道路の利用料金も安い方が良いという方向のようです。もう少し時間がかかりそうです。
一方、ガソリン税の暫定税率は一旦廃止し、新たな税制措置により現在の税率が維持されることになりました。民主党のマニフェストではガソリン税の暫定税率の廃止や高速道路の無料化など車の利用を促進する政策が多く、この点については賛成できないのですが、当面はガソリンの急激な値下げはなさそうです。
低炭素社会を目指すのであれば車の利用は抑制するべきであることは疑うべくもないはずですから、本来はタバコの消費抑制と同様の考え方があってしかるべきだと思います。つまり、車の利用を抑制するためにガソリン税の税率を引き上げていくということです。急激な値上げはトラック輸送に大きく依存する物流面への影響が大きいでしょうから何らかの配慮は必要でしょうけど。そうした議論も盛り上がることなく、世論はガソリンは安い方が良い、高速道路の利用料金も安い方が良いという方向のようです。もう少し時間がかかりそうです。
2009年12月22日
羽越戦事故でJR東日本の社員が書類送検されました
2005年12月25日に発生したJR羽越線の事故で、山形県警がJR東日本の輸送指令室長ら3人を山形地検に書類送検しました。この事故は突風が原因ですが、航空・鉄道事故調査委員会の報告書では「突風の発生は予測が難しい」として「JR側に過失責任はない」と結論づけられました。しかし、当時は暴風雪・波浪警報などが発令されていたことから、山形県警では運行責任者は事故を予見可能であったにもかかわらず、運転規制などの注意義務を怠ったということです。地検がどのように判断するか注目です。
当時のJR東日本の基準では風速30m以上になれば運転を中止することになっていましたが、風速は30mには達していませんでした。社員の立場では基準に従って行動したのであり、それに対して過失を問えるのかどうか難しいところです。しかし、刑事責任を別にすれば、風速がたとえ基準に達していないかったとしても危険性を感じ取れるような感受性が求められるのではないでしょうか。再発防止のためには、基準を見直すことだけではなく、運行に関わる人の安全に対する感度を高めていくことが重要だと思います。
当時のJR東日本の基準では風速30m以上になれば運転を中止することになっていましたが、風速は30mには達していませんでした。社員の立場では基準に従って行動したのであり、それに対して過失を問えるのかどうか難しいところです。しかし、刑事責任を別にすれば、風速がたとえ基準に達していないかったとしても危険性を感じ取れるような感受性が求められるのではないでしょうか。再発防止のためには、基準を見直すことだけではなく、運行に関わる人の安全に対する感度を高めていくことが重要だと思います。
2009年12月21日
日本航空安全啓発センター
日本航空安全啓発センターを見学しました。1985年8月12日のJAL123便の墜落事故から21年後の2006年4月24日に「事故の教訓を風化させてはならないという思いと、安全運行の重要性を再確認する場」として設置されたものです。基本的には研修施設のようですが、一般にも公開されています。開設後の来館者数は約7万4,000人、そのうち約3万9,000人がJALの社員、約3万5,000人が一般の人だそうです。
センターは羽田空港の整備場駅にほど近い空港施設(株)第2綜合ビルの2階にあります。見学には予約が必要で、係の方が説明をしながら約1時間で館内を案内してくれます。施設は展示室、第二展示室、資料室から構成されています。メインの展示室には事故の概要からはじまり、推定飛行経路、フライトレコーダの記録、事故の推定原因、事故後にとった対策、残存部品の回収場所などの説明の他、圧力隔壁や垂直尾翼など残存機体の一部、保管され得ている遺品、当時の新聞記事、社内誌の「おおぞら」(1985.11、1986.8)なども展示されています。また、遺族の会である8・12連絡会の機関誌「おすたか」や、遺族が慰霊登山などの際に拾った機体の一部などもあります。これらが展示されているのは遺族の要望のようで、現場にある慰霊碑などを管理している財団法人慰霊の園にあてた「残存部品を展示する嘆願書」も一緒に展示されています。資料室には世界の主な航空機事故、航空機事故年表、日本の主な事故のパネル展示や関連書籍があります。また第二展示室には被害の拡大を防いだ事例、航空安全の歩み(1950年代〜現在)などのパネル展示があります。
展示のハイライトはやはり残存機体でしょう。残存しているのは機体のほんの一部ですが、それでも巨大な部品が展示室の大部分を占めています。この他、新聞記事やニュース映像なども当時の空気を伝えるという意味で効果的だと思いました。この施設の目的は事故の教訓を風化させないということですから、まずは事故を思い出すこと、そしてその後の対策の経緯を理解することが展示の狙いでしょう。JALの社員はともかく、一般の人が来館者の4割も占めているのは少し意外でした。企業の研修などでも利用されるケースが多いようですが、どのような企業が訪れているのか興味があるところです。ちなみに、私は某電力会社の人達の団体と一緒に見学をしました。事故や失敗から学んだ教訓をしっかりと伝えていくという姿勢を学ぼうということでしょうか。
先日、阪神高速道路会社が阪神・淡路大震災でこわれた高架の橋脚を展示することにしたというニュースがありました。こういう展示の事例はそれほど多くはないと思いますが、意義や効果について何らかの方法で検証できればいいと思いました。
センターは羽田空港の整備場駅にほど近い空港施設(株)第2綜合ビルの2階にあります。見学には予約が必要で、係の方が説明をしながら約1時間で館内を案内してくれます。施設は展示室、第二展示室、資料室から構成されています。メインの展示室には事故の概要からはじまり、推定飛行経路、フライトレコーダの記録、事故の推定原因、事故後にとった対策、残存部品の回収場所などの説明の他、圧力隔壁や垂直尾翼など残存機体の一部、保管され得ている遺品、当時の新聞記事、社内誌の「おおぞら」(1985.11、1986.8)なども展示されています。また、遺族の会である8・12連絡会の機関誌「おすたか」や、遺族が慰霊登山などの際に拾った機体の一部などもあります。これらが展示されているのは遺族の要望のようで、現場にある慰霊碑などを管理している財団法人慰霊の園にあてた「残存部品を展示する嘆願書」も一緒に展示されています。資料室には世界の主な航空機事故、航空機事故年表、日本の主な事故のパネル展示や関連書籍があります。また第二展示室には被害の拡大を防いだ事例、航空安全の歩み(1950年代〜現在)などのパネル展示があります。
展示のハイライトはやはり残存機体でしょう。残存しているのは機体のほんの一部ですが、それでも巨大な部品が展示室の大部分を占めています。この他、新聞記事やニュース映像なども当時の空気を伝えるという意味で効果的だと思いました。この施設の目的は事故の教訓を風化させないということですから、まずは事故を思い出すこと、そしてその後の対策の経緯を理解することが展示の狙いでしょう。JALの社員はともかく、一般の人が来館者の4割も占めているのは少し意外でした。企業の研修などでも利用されるケースが多いようですが、どのような企業が訪れているのか興味があるところです。ちなみに、私は某電力会社の人達の団体と一緒に見学をしました。事故や失敗から学んだ教訓をしっかりと伝えていくという姿勢を学ぼうということでしょうか。
先日、阪神高速道路会社が阪神・淡路大震災でこわれた高架の橋脚を展示することにしたというニュースがありました。こういう展示の事例はそれほど多くはないと思いますが、意義や効果について何らかの方法で検証できればいいと思いました。

